アライグマとはアライグマ科アライグマ属に分類される哺乳類を総称していいます。「食べ物を洗って食べるという習性から、名づけられた」と一般的に広まっていますが、実際には「前足を水中に突っ込んで獲物を捕る姿が手を洗っているように見えるため」というのが由来です。飼育下では食べ物を水につける動作が見られます。体長はおよそ40~60cm、尻尾の長さは20~40cmほどで、灰褐色の体毛をもち、目のまわりから頬にかけて黒い斑紋があります。タヌキに非常に似ており、長いふさふさとした尾に黒い横縞があるのが大きな特徴です。また、アライグマの足は白っぽく、耳に白い縁取りがあります。
赤ちゃんのアライグマは人に懐くが、成獣(特に発情期)になると気性が荒くなり、一般人が飼育するのは非常に難しいという問題もあります。 元々日本には生息していなかったが、飼育個体が脱走し、天敵がいなかったため、短期間で増加し、現在、農作物や家畜、ペットへの被害、家屋への侵入などの問題が深刻化しています。
アライグマの被害のひとつとして社会問題化しているのが感染症の媒介です。野生のアライグマはさまざまな菌をもっていて、それらがアライグマを通じて広がっているのです。気性の激しい動物ですから人間にも襲い掛かってくる危険性があり、万が一噛まれてしまうとそれらの病原菌が移ることもあるのです。また雑食性ですから農作物が被害に遭う事もありますし、ゴミやペットフード、家畜などの飼料が食い荒らされたという報告もあります。他にも納屋や家屋への侵入被害、糞尿による被害も報告されています。また既存の希少種を餌とすることもあり、生態系にも悪影響が出てきてしまっています。
アライグマによる被害を受けないため、防ぐための対策はいくつかあります。ひとつは電気柵の設置です。畑などへの侵入被害が著しい時は畑の周りを電気柵で覆ってしまいます。柵に触れると電流が流れるようになりますので、高い撃退効果が期待できます。
アライグマは学習能力が高いため、一度痛い目にあうとそれを覚えていて再度その付近へも近づかなくなるでしょう。他にも音や光を出す装置で追い払うという撃退方法もあります。アライグマはもともと夜行性ですから強い光や音が出るとそれに驚いて、その場所に近づかなくなります。罠で捕獲すると言う方法もあります。繁殖力もあり個体数が増え続けるのであれば捕獲して処分するのです。アライグマ用の罠も販売されていますので、購入して使ってみるのも手段のひとつです。