ネズミは殆どが夜行性で、日没から数時間後と明け方に特に活動が見られます。 また、ネズミは警戒心がとても強く、壁際や物陰など人目につかない何度も往来している安心の出来るルートしか通らないといわれています。しかし、人間が安全だと認識をすると稀に人前に出てくる事もあります。壁など黒く汚れている箇所は、ネズミの通り道と特定できます。それをラットサインと呼びます。
ネズミは雑食性で、人間が食べる物はもちろん、ゴキブリや石鹸まで何でも食べます。 食欲も旺盛で、1日に体重の約3分の1から4分の1の食料を摂ります。しかし、ネズミはエネルギー消費が激しく2~3日食料にありつけないと餓死してしまいます。
また、ネズミは大変小さな穴でも侵入ができます。ネズミは、頭さえ穴を通り抜けてしまえば、人の手の親指程の穴でも侵入可能です。 また、ネズミには強靭な前歯が生えており、コンクリートや鉛の配管などもかじり切れます。ですので、たとえ最初は侵入できない程の小さな穴でも、かじり破って侵入してきてしまう恐れがあります。
ネズミによる被害は、衛生的被害、経済的被害、精神的被害の3つがあげられます。
衛生的被害は、ネズミの排泄物や体についている寄生虫による感染症や皮膚炎、また直接的に噛まれてしまうなどという事を通して病原菌が媒介される被害などがあります。ネズミにはダニ類(イエダニ・ヒメトゲダニ)、ノミ類(ヤマトネズミノミ・ケオブスネズミノミ )、シラミ類(イエネズミシラミ)などの外部寄生虫、条虫、回虫などの内部寄生虫などが寄生しています。また、大腸菌やサルモネラ菌、レプトスピラ菌などの病原菌による深刻な感染症を引き起こすなどの被害も与えます。
経済的被害は、鋭い歯で食品、日用雑貨や家具、壁、柱をかじり物品を破損させたり、電線ケーブル、電話線、ガス管などを噛み切ることによる停電や火災、交通事故などの二次被害などがあります。ネズミの前歯は一生伸び続けます。伸びすぎを防ぐために本能的にネズミは硬い物をかじり歯を削る習性を持っています。
精神的被害は、家屋にネズミが棲みつくことにより、夜中に天井を走り回る足音や糞尿の臭い、汚れ、足あとなどを通して、不安感からくるストレス、不眠など精神的な被害があります。
ネズミの体には、イエダニやノミなどが寄生しています。ネズミが死んで血を吸う相手がいなくなると人の血を吸うことがあり、それが原因で皮膚炎を発症します。腹部や太ももからの吸血が多く、特に冬場に被害が多発します。
ネズミを減らすためには、ネズミの住みにくい環境をつくることが大切です。
食品は必ず容器や戸棚に入れ、ゴミもフタの付いた容器に入れネズミにエサを与えないようにします。
ティッシュペーパー、衣類、雑巾、ビニール袋等、長期間押し入れの奥に入れたままの布団や衣類、ダンボール等はネズミの巣材となるため運ばれないよう対策します。
通気口、排水溝等には金網等をつけ、ネズミが入り込めないようにし、壁に隙間や穴がある場合は、防鼠パテ等で塞ぎます。